まうによる映画感想

落ち着きがない

【洒落怖ネットオカルト洋画⁉】Temple 【NETFLIX】

★★★☆☆

あらすじ

大学生のケイトは、宗教学の勉強の為にと日本への旅行を計画する。同行者には少し日本語ができる友人のクリスと、恋人のジェイムズ。日本へ着いた一行は、街角の古本屋で見つけた奇妙な本を手掛かりに、とある田舎の山中にある寺を目指すが、そこでは不可解な出来事が起こり……

 

洒落怖ネットオカルト感のある洋画B級ホラー

まず冒頭で竹中直人が登場して驚かされた。脇役ではあるが大御所がなぜこんな作品に出演しているのだろう。

 

アメリカ製で日本を舞台にしたホラー、というだけで、おおよそトンデモ日本がエキゾチックに描かれているのだろうとあまり期待していなかったが、意外にも舞台設定はしっかり「日本」であった。どうやら制作に多くの日本人が関わっているらしい。

 

プロットは、荒木飛呂彦が言うところの「田舎に言ったら襲われた系ホラー」で、典型的ではあるが、舞台が日本の田舎村というのは洋画B級ホラーには新しく感じた。

 

田舎村、奇妙な伝説、神隠し、といった要素はいわゆる洒落怖系ネットオカルトっぽく、神秘的に撮られた日本の山の映像美もあいまって、中盤まではかなり楽しめた。言ってみれば洒落怖×ブレア・ウィッチといった感じである。クリス役のあまりにも拙い日本語や寺院に不自然に置かれた西洋風の銅像などいくつか気になる点はあれど。

 

ただ終盤いよいよ襲われた場面からは途端に陳腐に感じた。「いかに見せないか」が重要な低予算ホラーにがっつりCGの怪物が登場するのはいただけない。一昔前のB級ホラーの陳腐さと比べるとずいぶん進歩を感じるが、やはり恐怖の実態は極力見せないで神秘的な雰囲気を保ってほしかった。

 

二重構造やどんでんがえし(的なもの)はあれど筋書きはよくあるネットオカルトそのもの。神秘的なロケーションと映像美はよかったがB級ホラーの枠組みは出ないように感じた。ただ洒落怖的雰囲気が洋画に収められているのは新鮮であり、外国人にはかなり魅力的に映るではのではないだろうか。